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戦場のさなかに飛び込んで一閃、刃を半月型になぎ払う。その鋭さに一瞬あたりがひるんだ隙に、まずは手近な場所にい…
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燭台切光忠はぱたんと冷蔵庫を閉じ、外した前掛けでやにわに手を拭って台所をあとにした。外廊下に出てみると、ぬる…
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ある夜、皆が寝静まった本丸の庭に、審神者がぼうと立っている。半纏の前を握りしめて、さみぃさみぃと厠から帰る道…
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冬の終わりの雨の日のこと。 審神者が新しい刀を呼ぶと言って鍛錬所に篭って数時間が経った。短刀やら脇差ばかり…
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今年の誕生日も、それは盛大に祝われることになった。 去年よりずいぶん人が増えたのもあって食堂は満員御礼、その…
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それは十一月の末であった。 明け方まで降り続いていた雨は日が昇る頃に止み、昼前には空を覆っていた厚い雲もどこ…
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独歩が帝國図書館に転生したのは十一月もまだ初旬のことだったというから、凩の吹き始め、街路の桜の葉が色づいては…
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収穫が終わって落ち穂が野ざらしになった田圃に一人、私はその時を待っている。いつの間にか降り始めて止む気配のな…
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夜分、風の音に紛れてかすかに物音がする。 夜の十時を過ぎて、来客には非常識な時間である。妻は体調がよくないと…
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潜書のない日の、昼下がりのことである。暇をもてあましていた花袋は、そういえばと思い立って宿舎の自室を出て、ほ…
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午前九時から非番の文士たちによって始められた大除草大会は開始一時間にして既に中だるみの気配である。中庭のいた…
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——本日午後三時に紀伊半島に上陸した台風ト号は現在本州南の海上を北北西に向かって時速一〇キロメートルで北上し…
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夏の山はまるで生命力の塊のようだった。 楡や樫の木の濃い緑の葉が作る木漏れ日。その下で旺盛に生える雑草たち。…
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図書館のある街は有り体に言って田舎だが、田舎なりに催し物もなくはなく、例えば八幡様で月に一度開かれる蚤の市な…
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国定図書館の一たる帝国図書館は、侵蝕者研究の最前線である以前に日本国でも随一の蔵書量を誇る国立図書館である。…