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今日は茶州から久しぶりに帰ってきた同僚に会う用事がある―― そう言って、新年早々からの残業を満月が完全に昇…
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いつからここは、これほど静かになったのだろう。 窓から薫る風がおくれ毛を揺らす感覚、春の香りは届けども、なん…
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「……好きだ」 彼とこうして相対するのは一体何度目のことだろう。呼び出したはいいが、結局違う話題でお茶を濁して…
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――セクシーなの(奇人) 年を重ねるごとに艶を増す美声 落ち着いた大人の美貌 ――キュートなの(鳳珠) 物陰で…
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「暑さ寒さも彼岸まで」とはよくいったもので、あちこちで猛暑と騒がれた今年の夏もそろそろ終わりに近づいていた。…
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《あれ》は、こんなに薄暗い室でのことだっただろうか。 周りを取り囲む大人たちの、誰一人の表情とて伺うことはで…
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「なんで貴様らとお揃いの服を着なければならないんだ……」「はあッ!? それはこっちの科白だぜ黄鳳珠。つーか、貴…
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駆け出しも駆け出し、国試に合格して一年にも満たない新米官吏にとって、公休日が七日に一度きちんととれることなど…
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「楸瑛は藍家を勘当されたのだったな」「は? ……ええ、まあそうですけど」「藍家とは一切関係ないそなたが、しかし…
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いかなる恵みぞ かかる身をも 妙なる救いに 入れたもうとは この身も嘗ては 世の闇路に 彷徨い出でたる も…
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「はあ……」「どうした柚梨」「……なんで私はこんな名前なんでしょう。柚子に梨、両方とも果実の名でまるで女性のよ…
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「ふむ、柚子の花言葉は『健康美』『恋のため息』……」「……なんでそんな微妙な目で私を見るんですか。悪かったです…
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ある風の強い日のこと。 「? 悠舜さんどうかしたんですか?」「目に塵が入ってしまったようで……。さっきからど…
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(「春分/雷乃発声」の続き) 白かった昊が、ほんのり赤味を帯びてくる。まるで花の色だと、ぼんやりとした意識の…
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桜の花が綻び始めるころになると、忙しい政務の間を縫って街外れを訪れるのが、燕青と悠舜の習慣だった。 茶州州都…
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それは偶然というか、成り行きというか、不可抗力というか。――いや、心のどこかに「こうなればいい」という願望が…
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その日の昼間は、南東よりの風が強く吹いてざわざわと落ち着かない天気だったのだが、日が暮れると同時に風はぴたり…
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「お前、ガリガリじゃないか」 まさか、寝台に横たえられて服を肌蹴させられた状態で、そんなことを言われるとは思わ…
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唇を合わせ、舌を這わせ、時折食む。口付けがこれほど官能的で直接的な性行為だということを、悠舜はたった今身をも…
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七日に一度の公休日、その次の日の朝、外朝に出仕した景柚梨はちょっとした違和感を覚えながら戸部までの回廊を渡っ…