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いつからここは、これほど静かになったのだろう。 窓から薫る風がおくれ毛を揺らす感覚、春の香りは届けども、なん…
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《あれ》は、こんなに薄暗い室でのことだっただろうか。 周りを取り囲む大人たちの、誰一人の表情とて伺うことはで…
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「なんで貴様らとお揃いの服を着なければならないんだ……」「はあッ!? それはこっちの科白だぜ黄鳳珠。つーか、貴…
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駆け出しも駆け出し、国試に合格して一年にも満たない新米官吏にとって、公休日が七日に一度きちんととれることなど…
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いかなる恵みぞ かかる身をも 妙なる救いに 入れたもうとは この身も嘗ては 世の闇路に 彷徨い出でたる も…
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ある風の強い日のこと。 「? 悠舜さんどうかしたんですか?」「目に塵が入ってしまったようで……。さっきからど…
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(「春分/雷乃発声」の続き) 白かった昊が、ほんのり赤味を帯びてくる。まるで花の色だと、ぼんやりとした意識の…
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桜の花が綻び始めるころになると、忙しい政務の間を縫って街外れを訪れるのが、燕青と悠舜の習慣だった。 茶州州都…
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それは偶然というか、成り行きというか、不可抗力というか。――いや、心のどこかに「こうなればいい」という願望が…
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「お前、ガリガリじゃないか」 まさか、寝台に横たえられて服を肌蹴させられた状態で、そんなことを言われるとは思わ…
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唇を合わせ、舌を這わせ、時折食む。口付けがこれほど官能的で直接的な性行為だということを、悠舜はたった今身をも…
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あの手狭な執務室もそれはそれで居心地が良いのだが、悠舜が尚書令に就任してからというもの、専ら彼の執務室に入り…
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(『紅梅は夜に香る』よりも少し後、『緑風は刃のごとく』の時間軸内?) 窓格子の影が筆を持つ手に触れているのに…
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雀よりも美しく気品のある鳴き声に、悠舜は目を開けた。鶯である。 窓に掛けられた薄布から洩れる昊の色はまだまだ…