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帝國海軍は毎週土曜の半ドンにカレーを食すと聞くが、ここ帝國図書館ではカレーの日といえば木曜日だ。毎週食べても…
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強力な侵蝕者の巣食う新たな有碍書が発見されて、最近では滅多に会派に呼ばれることのなかった独歩が再び潜書に向か…
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「あーっ!! あいつ、また!!」 花袋の部屋に本を借りに来た折だった。とくに予定もない午後で、暫く居座って最近…
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その日たまたま訪れた百貨店の催事場は、なにやらきらびやかな包装に包まれた甘い香りのする物体とそれを求める人々…
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朝食の時間になっても姿を現さない親友を訝しんで訪れた部屋は空だった。そんな気はしていた、朝目が覚めて、地面が…
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暦の上では春であろうと今日も昨日と同様に寒い。 悴む手を腰に巻いた着物の中で温めながら司書室に赴いた秋声は足…
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その男を見た時、込み上げてきた感情はなんだったろうか。 旧友と再び出会えたことに対する喜び? 前世とは似ても…
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帝國図書館に温泉が湧いた。その一報がもたらされたのは秋も深まる九月末。それから無茶な模様替えに定評のある特務…
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今年の誕生日も、それは盛大に祝われることになった。 去年よりずいぶん人が増えたのもあって食堂は満員御礼、その…
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それは十一月の末であった。 明け方まで降り続いていた雨は日が昇る頃に止み、昼前には空を覆っていた厚い雲もどこ…
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独歩が帝國図書館に転生したのは十一月もまだ初旬のことだったというから、凩の吹き始め、街路の桜の葉が色づいては…
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潜書のない日の、昼下がりのことである。暇をもてあましていた花袋は、そういえばと思い立って宿舎の自室を出て、ほ…
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午前九時から非番の文士たちによって始められた大除草大会は開始一時間にして既に中だるみの気配である。中庭のいた…
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——本日午後三時に紀伊半島に上陸した台風ト号は現在本州南の海上を北北西に向かって時速一〇キロメートルで北上し…
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夏の山はまるで生命力の塊のようだった。 楡や樫の木の濃い緑の葉が作る木漏れ日。その下で旺盛に生える雑草たち。…
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図書館のある街は有り体に言って田舎だが、田舎なりに催し物もなくはなく、例えば八幡様で月に一度開かれる蚤の市な…